神仏霊場会設立五周年記念シンポジウム

2013年11月23日

神仏霊場会設立五周年記念シンポジウム
「日本人の信仰~神と仏をめぐって~」 開催のご報告

【日時】 平成25年11月17日(日) 午後1時30分開演
【会場】 東京国立博物館 平成館大講堂
【主催】 神仏霊場会
【共催】 読売新聞社

■第一部 開会挨拶 北河原公敬(神仏霊場会会長、東大寺長老)
          老川祥一(読売新聞グループ本社取締役最高顧問)
 【基調講演】  山折哲雄(宗教学者)「平和と共存をめざして-神と仏の円運動-」

■第二部 第二部開会挨拶  木村光伸(神仏霊場会副会長、多賀大社宮司)
 【パネルディスカッション】 
  パネリスト:菅原信海(妙法院門跡門主)「神と仏のいざない」
        薗田稔(秩父神社宮司)「“神仏”といのちの宗教文化」
        山折哲雄(宗教学者)

  コーディネーター:宮城泰年(聖護院門跡門主、神仏霊場会教学委員長)

  閉会挨拶  松長有慶(神仏霊場会副会長、金剛峯寺座主

【シンポジウム内容】
今回のシンポジウムでは、『日本人の信仰 神と仏をめぐって』というテーマのもと、宗教学、神社、仏閣の各界を代表される方々に活発に議論いただき、多くの来場者の方々が熱心に耳を傾けられました。
シンポジウムでは、まず、山折哲雄氏(宗教学者)に「平和と共存をめざして~神と仏の円運動~」と題して基調講演をいただきました。山折氏は国内国外での自身の社寺巡礼体験を交え、人々の巡礼行動・信仰行動を円運動と往復運動にわけ、それぞれの特色に見解を示されました。
 第二部のパネルディスカッションでは、コーディネーターの宮城泰年師(聖護院門跡門主)の司会のもと、パネリストとして菅原信海師(妙法院門跡門主・早稲田大学名誉教授)、薗田稔氏(秩父神社宮司・京都大学名誉教授)、山折哲雄氏(宗教学者)の3名に議論して頂きました。
ディスカッションに先立ち、菅原師には、「神と仏のいざない」をテーマに、神社の参道や社、寺の境内やお堂が人々に与える癒しの効果などについてお話頂きました。続いて薗田氏には「“神仏”といのちの宗教文化」をテーマとして、「神道は森と祀りと稲の文化」という見解を交えながら、日本人独特の宗教と文化の関わり方を示して頂きました。
ディスカッションでは、山折氏より世阿弥の「秘すれば花」という言葉からの「秘仏信仰」について、菅原師より「草木国土悉皆成仏」という言葉から日本人の仏教観について、そして薗田氏より「山宮 里宮」という言葉から、日本列島の地形や風土からみてとれる山や里に暮らす人々と神、神社との関わりについてお考えが示され、それぞれの示された言葉を掘り下げることでそれぞれの宗教観・文化観を語って頂きました。