西明寺(さいみょうじ)

湖東三山と呼ばれる三名刹の一つで、承和元年（八三四）に、仁明（にんみょう）天皇の勅願により三修上人が開創した天台宗寺院。祈願・修行の道場として栄え、山内には十七の諸堂、三百の僧坊があった。織田信長の兵火に遭ったが、本堂（国宝）、三重塔（国宝）、二天門（重文）が火難を免れている。
桧皮葺（ひわだぶき）の本堂は鎌倉時代の純和様建築で、建造物としては国宝第一号。内陣中央には本尊薬師如来立像（重文）が安置され、脇侍の日光・月光菩薩立像、十二神将立像、四天王立像（うち二体が重文）が本尊を取り巻く。後陣には不動明王二童子像（重文）、釈迦如来立像（重文）など数多くの文化財を祀る。